事前調査
事前調査
深刻な健康被害を及ぼすアスベストを飛散させないため、全ての建築物や工作物の解体・改修工事を行う際は、工事の規模に関係なく、対象部分の全ての材料 について事前にアスベストの有無を調査し、適切な対策を講じることが法的に義務付けられています。
事前調査は以下の手順で行います。
①書面調査:設計図書や過去の工事記録などの文書を確認します。
②目視調査:現地で建材の状態を直接確認します。
③分析調査:建物のサンプルを採取し、専門機関でアスベストの有無を分析します。
これらの調査は「建築物石綿含有建材調査者」の資格を持つ者でないと行うことが出来ません。
事前調査結果の報告
一定規模以上の工事では事前調査の結果を労働基準監督署、及び地方公共団体に報告する義務があります。一定規模以上の工事には以下のものが該当します。
・建築物の解体工事:解体部分の床面積が合計80m2以上
・建築物の改修工事:請負金額が税込100万円以上
・工作物の解体・改修工事:請負金額が税込100万円以上
報告は電子システム「石綿事前調査結果報告システム」(Gビズ)を通じて行います。調査結果は記録を作成して3年間保存する義務があり、作業現場に備え付けて労働者が見やすい場所に掲示する必要があります。
事前調査の報告書の作成に必要な項目
●建物の基本情報
所在地
建築物または工作物の名称
建築構造(木造・RC造など)
規模(延床面積など)
建築用途
建築年月日
●工事内容の基本情報
・工事の種類(解体、改修など)
・工事の範囲や規模
・工期の予定
●調査対象
・外壁材、天井材など
・調査対象の部位(階、部屋など)
・調査範囲の図面(可能であれば写真も添付)
●調査の実施者
・資格者の氏名
・資格名称
・所属会社とその連絡先
●分析の実施者
・資格者の氏名
・資格名称
・所属会社とその連絡先
●調査結果
・アスベストの有無(調査した部位ごとにそれぞれ記録)
・調査で不明な箇所(書面や目視での調査で判断できなかった部分がある場合)
●対策計画
・作業エリアの封じ込め方法
・作業者の保護具の使用方法
・周辺環境への影響防止措置