採取方法
採取箇所
【国土交通省 「目で見るアスベスト建材(第2版)」 より引用】
【国土交通省 「目で見るアスベスト建材(第2版)」 より引用】
工事する建物の内、特定の部分にアスベストが含有されるかを調査すれば、工事の方法を決めることが出来ます。明らかに同じ材質の部分は1箇所と考えて問題ないですが、塗り直しされている場合があるので注意が必要です。
採取箇所
アスベストを含んでいる可能性がある場所・建材は様々ですが、以下の建材には含有されている可能性が高いです。これらを中心に検体を採取し、アスベストの分析を行いましょう。
●場所
・外壁
・内壁
・天井
・床
・水回り
●材質
・塗材
・モルタル
・ケイ酸カルシウム板(ケイカル板)
・スレート
・石膏ボード
・吹付け材
・床材
・巾木
・床材、巾木などの接着剤
○検体採取に必要な道具
●工具
・カッターナイフ
・スクレーパー
・たがね
・ラジオペンチ
・マイナスドライバー
・ゴムハンマー
・ライト
●保護具
・ヘルメット
・保護衣(化学繊維ならより良い)
・防じんマスク
・使い捨て手袋(検体ごとに取り換える)
●その他
・ブルーシート
・ビニール袋(ゴミ袋、養生にも)
・チャック付き試料袋
・霧吹き(湿潤用)
・防水テープ
・パーツクリーナー(工具洗浄用)
・ウェス
・補修材料(スプレー糊、採取部と同色のカラースプレー)
検体採取工具セット例
○検体採取における注意事項
検体の採取にあたって採取が不十分(採取する箇所が少ない、または採取する深さが浅い)な場合、採取していない箇所のアスベストの存在は当然ながら不明です。仮に分析結果が「不検出」でも、採取しきれなかった箇所にアスベストが含まれていれば、アスベスト対策なしの工事で大気中にアスベストを飛散させてしまうことになります。 一方で、アスベストを含む検体を採取した工具などを十分に洗浄せずに次の現場で検体採取に使用すると、前の検体のアスベストが混入(コンタミと言います)し、実際の建材には含まれていなくても、分析ではアスベストが検出されてしまう場合があります。アスベストが含まれていない建物の工事でのアスベスト対策措置は無意味であり、施工主に不必要な費用を負担させてしまいます。アスベスト分析は受け取った検体の範囲でしか判定できません。いくら分析結果が正確でも、検体の採取方法に不備があれば意味がありません。採取には十分注意をお願いします。